取り組みテーマと⽅針
テーマ |
健康経営を基盤とした働き方改革の実現 ![]() |
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方針 |
日本の人口動態の変化も相まって、労働者の働き方や時間外労働のあり方が問題視されるなか、企業には長時間労働に依存した企業風土や労働環境の見直しが迫られ、より柔軟な働き方が可能となる制度の整備や、働きやすく、働きがいのある職場環境の整備に取り組むことが求められています。リコーリースグループは、ワークライフ・マネジメント※を経営理念における基本姿勢に沿った取り組みと位置づけ、社員が安心して仕事を続けることができ、さらなる活躍を可能とするためのライフステージに即した支援制度を整備・拡充しています。 また、労働安全衛生の強化や労働生産性の向上の実現に向け、社員の健康を企業経営の重要課題の一つと捉え、社員一人ひとりが主体的に健康維持増進を図り、安全・健康・快適な職場環境の実現を目指した「健康宣言」のもと、健康経営を推進しています。 |
- ※当社グループでは、仕事と生活の双方を充実させるために、双方を自ら積極的にマネジメントしていくべきとの考え方から、ワーク・ライフ・バランスに代えて、ワークライフ・マネジメントという言葉を用いています。
- ※実績・目標はリコーリース単体

リコーリースグループの健康経営

当社グループは、「私達らしい金融・サービスで豊かな未来への架け橋となります」という経営理念のもと当社らしい付加価値のある金融・サービスを提供し、事業を通じた社会課題の解決を図っています。その核となる資産は人財です。その為、「健康宣言」を定め、「健康第一、仕事は二の次」という職場の「健康風土」の醸成を目指しています。
健康宣言
社員・会社・社会のハピネスを実現するためには、最大の財産である社員の心身の健康が何よりも重要であると考えます。グループ全体で持続的で豊かな未来を創造する事を目指すため、以下の観点で健康経営を推進いたします。
- 社員一人ひとりがリコーリースグループの財産です。
- 社員一人ひとりの健康は、自身の幸福の基盤であり、リコーリースグループの発展の基盤でもあります。
- リコーリースグループでは社員一人ひとりが主体的に健康維持増進を図り、会社は安全・健康・快適な職場(環境)の実現を図ります。
健康風土
社員が自身の健康を第一に考える事は、当社グループの未来の事業継続に不可欠な要素であると考えています。職場の同僚の心と身体に不調が生じた場合も、健康を第一に考える職場環境である事で、中長期的に顧客接点や業務品質維持のリスク要因を低減し、市場競争力を保つ事が出来ます。
- 健康第一、仕事は二の次
健康経営推進体制
健康宣言に基づき体制をより強化していくため、社長執行役員を最高責任者とし、グループ人財統括本部長を健康経営推進責任者に選定して、健康経営推進主管部門、衛生推進者、産業医・保健師の連携により、毎月の衛生委員会など健康に関わる会議体を設定し、社員の健康意識の向上や行動改善を目的とした健康管理やコラボヘルス体制を推進しています。さらに、各職場が健康経営を意識して、職場単位の働く環境を改善し、社員が様々な健康施策へ参加し易くするヘルスアップ体制を推進しています。具体的には、各職場の健康増進の旗振り役となる「ヘルスアップサポーター」制度を導入し、主管部門と連携して健康増進施策を実施しています。これにより全社で一体感を持った健康経営推進体制を強化しています。

健康経営戦略スマートマップ
当社の経営理念や人財マネジメントビジョンである「 Happiness αt work」の実現へ向けて2030年3月に達成すべき健康経営のKGI (重要目標指標)を設定し、以下の健康経営戦略スマートマップを作成しています。また、当社のKGIは、心とからだの不調により仕事の不調が生じる状態である「プレゼンティーズム」を緩和する事です。その目標達成へ向けて、現状の健康課題を分析し、必要な健康施策やKPIを設定(一部社外へ開示)しながら、健康投資効果を測定しています。

- ※プレゼンティーズム:社員が体調不良や健康問題を抱えながら業務を行う状態。企業損失や生産性へ影響します。なお、2024年度のWfunによる当社のプレゼンティーズムの測定結果はB判定です。
健康課題
当社では最適な健康経営を実施する為、健康課題は、以下の方法で把握しています。
- 産業保健体制からの助言・提言
当社の産業医・保健師が、当社の健康指標(KPI・KGI)の数値や状態、さらに毎月の巡回状況や保健指導状況から、会社へ助言・提案いただいた内容。 - 第三者からのアドバイス
外部機関から当社が開示している健康指標(KPI・KGI)の数値や状態をもとに定期的にアドバイス頂いた内容。 - 社内の産業保健スタッフによる分析
専任の産業保健スタッフが、個人情報が特定されない情報をもとに、当社の健康指標(KPI・KGI)の数値や状態を、性別や年代など属性ごとに切り分けて分析した内容。
ヘルスアップチャレンジ
社員が主体的に自らの心身の健康を把握して健康リスクを予防したり、健康改善へ向けた行動や習慣づくりを行う健康施策を当社では、「ヘルスアップチャレンジ」と呼んでいます。また、当社の健康投資として位置づけ支援しています。
2025年4月実施しているヘルスアップチャレンジ「健康リスク低減サイクル」
仕事の不調につながる「健康リスク」*(生活習慣病、ストレス等)低減に向けた施策として、以下の主体的な健康リスク低減サイクルの活動を促進しています。自然と健康リスク「0」に近づく事で、パフォーマンスも向上します。
健康測定:健診・受検・健康測定機器での計測
- 健康診断、ストレスチェック(身体症状)
- 血圧を計測
- INBODYで筋肉量・体組成計測
- 歩数を測る(健康管理アプリ)
課題分析:身体や運動の健康課題を把握
- 歩数や生活習慣の傾向(健康管理アプリ)
- 健康測定結果の保管と経年比較
- 健康管理サイト(定期健診結果等)
- 産業医・保健師の保健指導や相談
- 二次健診の受診(受診促進)
意識変化:健康知識を習得し、意識を変化
- 健康意識調査
- ヘルスアップ通信
- 健康クイズ(健康管理アプリ)
- 年間研修(AED、熱中症、口腔等)
- 健康フォーラム(禁煙、睡眠等)
行動変容:毎日の健康習慣づくりへ生かす
- ウォーキングイベント(健康管理アプリ)
- 職場主体イベント(食事、体操等)
- フラグフットボールイベント
- クラブ活動(ストレス発散)

- ※健康リスク
1.健診データにおいて保健指導の対象となる値が出る事。(健診結果:血圧・血中脂質、血糖・BMI・既往症等)
2.生活習慣病を予防する習慣がない事。(喫煙習慣・睡眠習慣・運動習慣・飲酒習慣等)
3.心理的安全な職場環境や人間関係でない事。(ストレス・エンゲージメント・円滑なコミュニケーション等)
健康風土の醸成と可視化
毎年、健康意識調査や、ストレスチェック集団分析結果の職場フィードバックを実施する事で、健康宣言や健康経営戦略の浸透、管理職者のラインケアの認識向上に努めています。また、各職場の「ヘルスアップサポーター(健康増進の旗振り役)」を通じて、健康イベントや研修に参加しやすい職場環境づくりに取り組んでいます。そうした職場環境改善の取組を通じて、社員が自身の健康を最優先に働ける職場を育み「心理的安全性」、「信頼」、「上司の支援」を主要素する「健康風土」を醸成しています。さらに、本年度から新たにWSC(職場のソーシャル・キャピタル)という尺度を活用して前述の主要素を数値化する事で、健康風土の状態の可視化に努めていきます。
健康管理システムの活用
社員が主体的に健康測定結果を確認し、全国のどの拠点でも産業医・保健師から保健指導を受けながら適切な健康管理が出来るように、健康管理システムを導入しております。また、各健診機関は有所見の基準が異なる為、当社独自の保健指導・措置面談への介入基準を策定し、システムに設定しています。この健康管理システムを通じて、産業医・保健師による健康診断後の適切なフォローや、生活習慣病の1次~3次予防施策を実施しております。さらに、ストレスチェックの実施やセルフケアへの対応も同じ健康管理システム内で実施する事が出来る為、産業医・保健師によるフィジカルおよびメンタル両面での総合的なヘルスケアを提供しています。
健康管理アプリの活用
社員の主体的な健康習慣づくりを支援する為、健康管理アプリを活用しています。スマートフォン上で健康関連のコンテンツ配信(ヘルスリテラシークイズなど)やリアルイベント(ウォーキングイベントなど)を中心に、社員が健康を考える機会を提供しています。また、アプリの中で心身の健康のための意識変容・⾏動変容・習慣化に向けたプログラムや、社内のコミュニケーション促進に繋がるツールを提供する事で、従業員が隙間時間で自然と楽しく健康管理を継続し、健康リテラシーを向上させる事が出来るように努めています。
直近の健康増進(ヘルスアップ)施策について
2024年度以降、当社は以下の健康施策を実施いたしました。各施策ごとに参加者の割合を付記しています。




- 2024年6月 健康リテラシーの向上を目的としたヘルスアップ通信の実施/全社員対象
- 2024年7月~9月 全国4拠点で実施した健康測定イベント/全社員の約3割参加
- 2024年11月~12月 職場の健康増進イベント×障がい者支援「ヘルスアップ・エイト」の実施/全社員の約3割参加
- 2025年3月 健康意識調査(リテラシーテスト含む)の実施/全社員の約7割参加
- 2025年5月 ストレスマネジメント研修の実施/全新入社員対象
- 2025年5月~6月 健康管理アプリを活用したウォーキングイベントの実施/全社員の約8割参加
- 2025年7月 生活習慣病予防を目的とした定期健診の有所見判定基準や事後措置の見直し/全社員対象
健康指標の開示
KPI
■対象:健康管理対象全社員
区分 | H | W | 項目名 | 2023年度 | 2024年度 | |
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取り組み指標 | ⚪︎ | 定期健康診断受診率 | 100% | 100% | ||
⚪︎ | ストレスチェック受検率 | 97.4% | 98.7% | |||
⚪︎ | 健康意識調査受検率 | -% | 70% | |||
⚪︎ | 健康管理アプリ利用率 | 18% | 25% | |||
⚪︎ | 健康関連のイベント研修参加者数(延べ) | 181 | 347 | |||
⚪︎ | 1on1実施率 | - | 83% | |||
行動変容の指標 | ⚪︎ | ハイリスク者数 | 糖尿病 | 0.2% | 0.6% | |
⚪︎ | 血圧 | 2.6% | 2.8% | |||
⚪︎ | ライフスタイル値 | 運動習慣維持率 | 24.2% | 24.1% | ||
⚪︎ | 朝食欠乏率 | - | 17.1% | |||
⚪︎ | 禁煙率 | 12.6% | 11.1% | |||
⚪︎ | 総合リスク | 84 | 85 | |||
⚪︎ | 高ストレス者率 | 9.9% | 10.2% | |||
⚪︎ | 保健指導受診率 | - | 46.6% | |||
⚪︎ | 超過勤務者数 | 190 | 215 | |||
⚪︎ | 有給取得率 | 78.8% | 76.6% | |||
最終目標指標 | ⚪︎ | ⚪︎ | 労災件数 | 1 | 5 | |
⚪︎ | ⚪︎ | エンゲージメント(wevox) | 71 | 71 | ||
⚪︎ | ⚪︎ | 離職率 | 2.6% | 4.2% | ||
⚪︎ | ⚪︎ | アブセンティーズム※2 | 1.3 | 3.0 |
- ※1項目の「H」はヘルスアップチャレンジ(HealthUP Challenge)、「W」は働き方改革(Work Style Reform)の意味。
- ※2傷病休職制度の利用日数の全従業員平均値。
KGI
区分 | H | W | 項目名 | 2023年度 | 2024年度 |
2029年度 【目標値】 |
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重要目標指標 | ⚪︎ | ⚪︎ | プレゼンティーズム※ | A判定 | B判定 | A判定 |
- ※産業保険医科大学の「Wfun」による判定。
外部機関からの評価・受賞歴
当社の健康経営への取り組みは外部機関からも高く評価され、リース&ファイナンスの業界において、健康経営のリーディングカンパニーとして業界をけん引してきた実績がございます。
- 健康経営優良法人(大規模法人部門)に9年連続認定
- DBJの健康格付けの最高ランク取得
- がん対策推進優良企業表彰
- スポーツ・エール・カンパニー認定
- 東京都スポーツ推進企業認定




イニシアチブへの参画
- がん対策推進企業アクション
- 健康経営アライアンス
- Sports in Life コンソーシアム
2024年度以前の顕著な外部機関からの評価・受賞歴
- 「健康経営銘柄2023」選定
- 「健康経営銘柄2022」選定
- 「健康経営銘柄2021」選定
- 「健康経営銘柄2020」選定
- 「健康経営銘柄2019」選定
- 「健康経営銘柄2018」選定
- 「健康経営銘柄2016」選定
DBJ健康格付の認定
- ※現在は、当社の参加枠をDBJ環境格付へ移行しています。
- 「DBJ健康格付2025 最高ランク格付取得」
~従業員の健康配慮への取り組みが特に優れている~ - 「DBJ健康格付2021 最高ランク格付取得」
~従業員の健康配慮への取り組みが特に優れている~ - 「DBJ健康格付2018 最高ランク格付取得」
~従業員の健康配慮への取り組みが特に優れている~ - 「DBJ健康格付2013 最高ランク格付取得」
~従業員の健康配慮への取り組みが特に優れている~
ワークライフ・マネジメントの取り組み
働きやすい職場環境を推進
リコーリースは、コロナ禍を背景にニューノーマルな働き方を実現するため、従来の時間と場所の制限を撤廃し、よりフレキシブルな働き方ができる環境を整えています。2019年に在宅勤務制度を導入後、当社を取り巻く環境の変化や社員の声を受け、対象者の要件や実施回数の上限撤廃、実施場所の要件緩和など、より柔軟に在宅勤務を行えるよう見直しを図りました。引き続き、テレワークの推進により、コロナ禍など有事における事業継続体制の確立を図るとともに、さらなる生産性の向上と働き方の質・生活の質の双方を高めていきます。
また、2018年度より兼業・副業制度を導入しました。本制度により社員個人のスキルアップの実現や仕事の質の向上を図るとともに、専門技能を有する社員が自身のスキルや経験を提供し、社会に貢献していきます。
2022年度より、正社員の枠にとらわれず、新たなことにチャレンジしたいと希望する社員が個々の求める働き方を実現できる環境を整備するため、社内フリーランス制度を導入しました。社内フリーランス制度を活用することで、専門性に特化した仕事や副業のウェイトの拡大、自己の能力を試す機会、学びの追求など、自己の志向や多様なニーズに応えることが可能となります。親の介護のために実家に戻って働きたい社員や、育児や介護のために業務量を減らして短日数勤務や就業時間のルールに縛られない働き方をしたい社員等、個々の状況やライフステージに応じた柔軟な働き方も可能となります。

労働時間の適正管理と年休の取得促進
勤務管理と連動した健康管理システムにより、勤務時間管理を強化・徹底しています。仕事と生活を両立し、成果をあげることができる環境づくりとして、コアタイムを設けないフレックス勤務体制への見直しや、勤務終了後、一定以上の休息時間を設けることを義務づける勤務間インターバル制度を導入しています。
一方、より柔軟に年次有給休暇(以下、年休)の取得が可能となる時間単位で年休を取得できる時間年休に加え、視覚的にわかりやすくリアルタイムで年休取得状況を把握できる新勤務管理システムを導入するなど、社員の年休取得を積極的に推進しています。このような結果、2022年は年休取得率は79.8%となり、前年実績73.9%を上回りました。